アブストラクト(37巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左右異なる機序による呼吸不全にて発症した胸部下行大動脈瘤の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 斉藤力, 鰐渕康彦, 寺田康, 下山嘉章, 井野隆史, 古田昭一
Authors(kana) :
Organization : 三井記念病院循環器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 12
Page : 2553-2557
Year/Month : 1989 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸部大動脈瘤の臨床症状は動脈瘤の破裂ばかりでなく隣接臓器の圧迫による症状など, 多彩でしかもいったん症状が出現すれば何らかの救急手段をとらねば致命的となることが多い. 最近, 著者らは, 48歳男性で, 胸部下行大動脈瘤による左主気管支の圧迫による左肺の換気障害と, 右主肺動脈の圧迫による右肺の血流障害という左右異なる機序により, 呼吸不全を呈した症例に対し, 緊急人工血管置換術を施行し, いったんは症状の改善を見たが, 術後合併症として, 食道の阻血性壊死によると思われる穿孔, 急性膿胸を併発し失った症例を経験した. 本例のような発症形式, 及び臨床経過はまれであると考えられたので若干の文献的考察を加え報告した. 胸部下行大動脈は, 心, 肺, 気管支などの主要臓器に隣接しているため, 胸部大動脈瘤の臨床症状は動脈瘤の破裂ばかりでなく隣接臓器の圧迫による症状等, 実に多彩で, しかもいったん症状が出現すれば何らかの救急手段を取らねば致命的となることが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸部下行大動脈瘤, 大動脈炎症候群, 呼吸不全, 術後合併症, 食道壊死
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