アブストラクト(37巻12号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 鈍的外傷による胸部大動脈急性閉塞の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 木村久雄, 吉田弘之, 蒔苗隆, 浜田洋一郎, 新津勝宏, 安井豊* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 岩手医科大学第3外科, *岩手県高次救急センター |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 12 |
Page : | 2572-2575 |
Year/Month : | 1989 / 12 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 鈍的外傷による胸部大動脈完全閉塞のまれな1例を報告する. 症例は27歳の男性(警察官)で, パトカー乗務中交通事故に遭遇した. 来院14時間後より上肢高血圧, 上半身浮腫, 無尿を認め, 直ちにDSA検査を施行, 大動脈峡部の外傷性閉塞を確認した. 緊急的に下半身への血行改善を目的として腋窩動脈-大腿動脈人工血管バイパス手術を行い, 2日後に根治手術を行った. 手術所見は, 胸部大動脈の動脈管索の部分で内膜の離断がみられ, 内膜の末梢端は血流により内反し, 大動脈内腔を完全に閉塞していた. 剥離した内膜を縫合し, 一部内膜欠損部はダクロン人工血管片を用いて大動脈壁を再建した. 術後経過は良好で, 約3年後の造影検査でも特に問題はない. 最近われわれは鈍的外傷による胸部大動脈の急性完全閉塞を経験した. 大動脈の内膜が剥離反転し内腔を閉塞したもので, 胸部大動脈においてかかる完全閉塞はまれと考えられるので, 若干の考察を加え報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 大血管外傷, 鈍的胸部外傷, 外傷性大動脈閉塞, 内膜内反 |