アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Coronary reactive hyperemiaに及ぼすCardioplegia及び低温の影響
Subtitle : 原著
Authors : 梅林雄介, 平明
Authors(kana) :
Organization : 鹿児島大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 1901-1907
Year/Month : 1989 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心停止液及び低温による心筋保護効果を冠動脈のReactive hyperemia(RH)を測定することによって検討した. 雑種成犬27頭を全麻下に胸骨正中切開で開胸, 完全体外循環下に肺動脈を結紮し, 冠動脈灌流血液のほとんどすべてを右室, 右房から回収する回路を設けこれに電磁血流計を設置した. 10分間の大動脈遮断に対する冠動脈RHを測定した. 実験群はI群(n=7):37℃単純大動脈遮断, II群(n=6):37℃心停止液使用, III群(n=7):28℃単純大動脈遮断, IV群(n=7):28℃心停止液使用の4群である. 大動脈遮断によるflow debtに対するpercent repaymentは, I群:234.6±38.3%(mean±SD), II群:101.5±40.8%, III群:134.5±50%, IV群:112.8±36.5%でI群に比しII, IV群(p<0.001), III群(p<0.02)は有意に低値であった. RHのpeak flomのcontrol flowに対する割合はI群605.4±131.1%, II群328.3±60.2%, III群288.8±79.7%, IV群282.2±65.4%でI群に比し他の3群は有意に(p<0.005)低値であった. 心筋酸素消費量は常温細動心で4.01±1.28ml/min/100g, 28℃細動心で0.91±0.89ml/min/100gと低温群が明らかに低く, 停止心の心筋酸素消費量はそれぞれの群で細動心より更に低いと思われる. 低温群と心停止液使用群でRHが低値を示したことは, 大動脈遮断中の心筋酸素需要を反映したものと考えられ, 低温と心停止液のもつ心筋保護効果が冠動脈RHの面から推測された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Reactive hyperemia, 低温, 心停止液, 心筋酸素需要
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