Authors : |
松田暉, 笠井由美子, 島崎靖久, 河本知秀, 澤芳樹, 井上智勝, 福嶌教偉, 徳庵喜久, 小川實*, 川島康生 |
Abstract : |
連続した5例の新生児, 乳児期早期大動脈縮窄症(CoA)に, extended aortic arch anastomosisを行った. 症例は生後3日から106日で, 新生児2例を含み, 合併疾患は心室中隔欠損2例, 心房中隔欠損2例, 完全型心内膜床欠損1例であった. 鎖骨下動脈中枢部の大動脈弓部径と下行大動脈径の比は, 0.33~0.96(平均0.56)で, 大動脈弓低形成(HAA)を0.5以下とすると2例がこれに相当した. 手術は, 大動脈弓部を上行大動脈まで, 末梢は横隔膜近くまで剥離受動し, 縮窄部を十分切除し, 吻合口を拡大したのち直接端々吻合を行った. 大動脈遮断時間は22~38分(平均28分)であった. 完全型心内膜床欠損の1例は術前からの肝障害が遷延し, 肝不全から術後1カ月で失った. それ以外の症例では手術死亡はなく, 2例で心内修復術を終了, 2例で待機中である. 術後1~11カ月の観察期間では, 臨床的に問題となる上肢間の圧差は見られなかった. 本法はHAA合併例を含めCoAに対する術式として有用と考えられる. |