アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心房中隔置換実験による各種心房内バッフル材質の検討-晩期収縮性と組織適合性について-
Subtitle : 原著
Authors : 東郷孝男, 井口篤志, 柳沼厳弥, 貞弘光章, 新井悟, 浜田幸男, 佐藤成和, 堀内藤吾
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 1937-1944
Year/Month : 1989 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 完全大血管転位症に対するMustard手術では心房内血流転換のために自家心膜や人工布による心房内バッフルが用いられている. この心房内バッフルの収縮性変化が, 本術式の致命的な合併症の一つである心房内流入静脈の狭窄や閉塞を引き起こすと考えられている. この合併症を防止するために, 心房内バッフルの材質の選択やデザインの改良が行われている. 本研究は, 自家心膜, グルタールアルデハイド処理イヌ心膜, グルタールアルデハイド処理ブタ心膜, Gore-Tex Sheet及びGore-Tex Patchを用い心房中隔置換実験を行い, それぞれの材質の遠隔期の収縮性変化を比較検討することを目的とした. 実験動物の成長の因子も加えて検討するために雑種幼若犬を用いた. 6カ月以上の遠隔期に実験犬を屠殺し, バッフルの面積の計測及び病理学的検索を行った. その結果, 心房内バッフルはいずれの群でも同じように収縮しており, 収縮率は約40%であった. 病理組織学的に自家心房組織や新生内膜との適合性を検討すると, 自家心膜とGore-Tex Patchが良好な結果を示した. 以上より, 心房中隔置換実験による心房内バッフルの材質の検討では, 自家心膜とGore-Tex Patchが優れているとの結論を得た.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症, Mustard手術, 心房内バッフル, 自家心膜, EPTFE
このページの一番上へ