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39歳男性で持続性心室頻拍（VT）を来し, ARVD（arrhythmogenic right ventricular dysplasia）と診断した. しばらく, 内科的治療を行っていたが, VTによる失神発作を再発し, 手術適応とした. 術前の電気生理学的検討を行った後, 体外循環を用い, 心表面マッピング法により右室自由壁の最早期興奮部位を決定し, そこを中心に島状に切除し, また遅延電位部位を含んだ右室流出路を切除, 欠損部をそれぞれパッチにより補填した. 現在, 投薬もなく術後2年以上経過してVTの再発を見ないので報告する. ARVD（Arrhythmogenic right ventricular dysplasia）, 又は不整脈源性右室異形成は, 1975年ごろからフランスのFontaineら1)によって新しい病態が指摘され, その心室頻拍に対する外科的治療が発表されてから, 日本でも外科的治療の対象となって来つつある. われわれは以前ARVDの1症例に対して, 右室自由壁の全周囲切離手術（Guiraudon法）2)を経験し, 既に報告したが3), 今回病巣部の選択的切除手術を行い経過良好となっている症例を得たので報告する. |
