アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : DeBakeyIII型解離性大動脈瘤に対するグラフト置換術後, 前脊髄動脈症候群, Brown-Sequard症候群を発生した2症例の検討
Subtitle : 症例
Authors : 土田弘毅, 橋本明政, 清野隆吉, 平山統一, 青見茂之, 小柳仁
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 1995-2000
Year/Month : 1989 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 下行大動脈瘤手術における体性感覚誘発電位(SEP)モニタリングのfalse negativeの2例-術後Th4以下の前脊髄動脈症候群と右片麻痺を発生した1例, 及び術後2日目に発生したL1以下のBrown-Sequard症候群の1例-を報告した. 現在臨床で使われている神経学的モニタリングは術後の遅発性麻痺までは予測できない. 胸部下行, 胸腹部大動脈瘤においてわれわれは臨床的にはAdamkiewicz動脈のみが重要ではなく, 数対の重要な肋間, 腰動脈があると考えており, 上位, 中位, 下位肋間, 腰動脈の逆流出血の多い数対は可能な限り再建した方が対麻痺の予防, 術後の脊髄へのcollateral温存, 発達の上から良いと考えている. 下行大動脈瘤の外科治療において対麻痺は重大な合併症であるが, いまだ対麻痺予知, 防止の確実な方法はない. 体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential, 以下SEPと略する), 脊髄誘発電位(evoked spinal cord potential, ESCP)モニタリングの有用性が諸家1)2)より報告されているが, これらは主に体性感覚系のモニターであるため, これらで変化がなくとも対マヒが起こる可能性のあることがCrawford3), Takaki4)より指摘されてきた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈瘤手術, 前脊髄動脈症候群, Brown-Sequard症候群, 対麻痺
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