アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : dumb-bell状に発育した後縦隔神経鞘腫の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 山下良平, 小杉光世, 小林長, 鳥畠康充*, 北野喜行*, 安念有声**
Authors(kana) :
Organization : 市立砺波総合病院外科, *市立砺波総合病院整形外科, **市立砺波総合病院病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 2001-2004
Year/Month : 1989 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 後縦隔の神経鞘腫で, 腫瘍が椎間孔内へdumb-bell状に進展した症例を経験した. 患者は56歳女性で, 検診の胸部X線写真で右上縦隔の異常陰影を指摘された. ミエログラフィー併用の胸部CTスキャンより, 腫瘍は第2胸椎レベルの傍脊椎領域に存在し, 椎間孔内へ進展して脊髄硬膜と接していた. 本症例の手術では, 腫瘍が高位の後縦隔に存在していたこともあり, 腹臥位で後方より開胸と椎弓切除を行い, 腫瘍を摘出した. 本症例のように後縦隔の神経原性腫瘍で, 腫瘍が脊柱管内へ進展していわゆる砂時計腫の形態をとる際には, 手術アプローチが問題となる場合がある. 本症例で用いた後方経路法は, 腫瘍の縦隔側及び脊柱管側とも一期的に完全に摘出できる点で推奨しうると思われた. 縦隔腫瘍のなかでも後縦隔の神経原性腫瘍は, 比較的よく遭遇する疾患であるが, 腫瘍が椎間孔を通して縦隔側及び脊柱管側へdum-bell状に発育して, いわゆる砂時計腫の形態をとる際には, 手術アプローチが問題となる場合がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 後縦隔腫瘍, 神経鞘腫, 脊髄砂時計腫, 手術アプローチ
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