アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 限局性胸膜中皮腫の1例-特にその組織由来について-
Subtitle : 症例
Authors : 浜之上雅博, 南曲尚, 馬場国昭, 島津久明, 大久保幸一*, 清水誠一郎**
Authors(kana) :
Organization : 鹿児島大学医学部第1外科, *鹿児島大学医学部放射線科, **鹿児島大学医学部第2病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 2005-2008
Year/Month : 1989 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左S3区域の肺胸膜より発生した有茎性限局性胸膜中皮腫の1例(68歳, 男)を報告した. 術前の生検で低悪性度を伴う本腫瘍と診断されたため, 腫瘍を含む左上葉切除と所属リンパ節郭清を行った. 胸膜原発腫瘍はKlempererらにより胸膜中皮細胞由来とされ, その形態よりびまん性と限局性のものに分類されている. 限局性胸膜中皮腫のうち, 線維性のものは組織由来が中皮細胞下の間質細胞であるとする説がある. 本症例の腫瘍も完全な線維性の形態を示したため, 光顕・電顕による検査のほか免疫組織染色を行って検討した. その結果いずれの検査においても胸膜中皮細胞由来である所見はなく, 電顕像はその組織由来を中皮細胞下の間質細胞とするほうが適当であると思われた. この種の腫瘍の組織由来につい今後の検討が待たれる. 本腫瘍は低悪性度を有することが多いので手術に際しては限局性であっても広範囲の切除を行い, 術後十分な経過観察を行う必要がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 限局性胸膜中皮腫
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