アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 細菌性脳動脈瘤破裂を伴った感染性心内膜炎に対する開頭術後早期開心術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 内野敬, 平山哲三, 石川幹夫, 石丸新, 古川欽一
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 2025-2028
Year/Month : 1989 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は22歳女性, 感染性心内膜炎を合併する僧帽弁閉鎖不全症に細菌性脳動脈瘤破裂による頭蓋内出血を認めた. 更に心エコーで左房, 左室間を浮動するvegetationを認めた. 開心術中, 術後の抗凝固療法による致死的な出血を避けるため, 脳動脈瘤摘出を優先し, その48時間後に僧帽弁置換術を行った. 術後経過は良好で, 脳神経症状の出現もなく社会復帰した. 感染性心内膜炎に合併する細菌性脳動脈瘤の破裂は死亡率が高く可能な限り瘤切除を優先すべきであり, 開頭術早期であっても開心術は比較的安全に施行できるものと考えられた. 今日の抗生物質を中心とした薬物療法の進歩により, 感染性心内膜炎(以下IE)による死亡率は低下しており, 更に心不全の合併や塞栓症を合併する症例に対しては, 積極的に早期手術が行われるようになり, 良好な成績をおさめるようになった. 一方IE症例において脳症状を呈するものは比較的多く, その原因として, 脳塞栓, 細菌性脳動脈瘤, 髄膜炎, 中毒性脳症が挙げられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 感染性心内膜炎, 細菌性脳動脈瘤, 僧帽弁置換術, 脳動脈瘤摘出術, 破裂性脳動脈瘤
このページの一番上へ