アブストラクト(37巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性異常腱索による僧帽弁閉鎖不全の1例
Subtitle : 症例
Authors : 沢重治, 川筋道雄, 松永康弘, 川上和之, 手取屋岳夫, 岩喬
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 9
Page : 2053-2056
Year/Month : 1989 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁腱索の先天性奇形により僧帽弁閉鎖不全症を来したまれな1例を経験した. 症例は47歳女性で以前より心雑音を指摘され, 労作時呼吸困難を自覚していたが脳塞栓症にて緊急入院した際, 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症と診断された. 手術時所見で1本の肥大した長い異常腱索が僧帽弁口を通り左房に付着していた. また僧帽弁尖には2次的に生じたと思われる肥厚が認められた. 病理組織学的には異常腱索の肥大は正常腱索組織周囲の炎症性組織増殖によるものであることが確認され, 弁尖には非リウマチ性炎症が認められた. 先天性異常腱索による僧帽弁閉鎖不全に弁尖の肥厚と弁輪の拡大が加わって臨床上心不全症状を来したものと考えられた. 先天性僧帽弁奇形はまれな疾患であり, ことに成人以降に発見された単独例の報告は極めて少ない. 今回著者らは乳頭筋腱索の先天奇形による僧帽弁閉鎖不全のため心不全を来した成人例を経験した. 著者が調べ得た限りでは同様の症例の報告は見あたらなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性僧帽弁奇形, 異常腱索, 僧帽弁閉鎖不全症
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