アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸膜播腫を伴った前胸壁軟骨肉腫の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 秋葉直志, 近藤晴彦, 呉屋朝幸, 土屋了介, 成毛韶夫, 池秀之*
Authors(kana) :
Organization : 国立がんセンター外科, *横浜市立市民病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 1
Page : 160-164
Year/Month : 1990 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 呼吸困難と前胸壁腫瘤を主訴として来院した52歳の女性の前胸壁軟骨肉腫に対して胸骨下方3分の1と第3~6肋骨切除, 心膜・右肺中葉の一部・横隔膜の合併切除を伴う摘出術を行った. 心膜の欠損部は人工硬膜で, 胸壁の欠損部は二重にしたMarlex meshでそれぞれ補填した. 壁側胸膜に播腫性の病変があり根治術とはならなかったが, 術前は右胸水の貯留と腫瘍の圧排により起座呼吸を呈していたのが術後は胸水が貯留せず呼吸困難は消失した. 術後の病理診断では胸壁外の部分は悪性度が低く, 胸腔内は軟骨肉腫と診断された. 本症例はslow growingな軟骨肉腫であり, 放射線や化学療法も効果が期待できないので, 姑息的ながらquality of lifeを考えるとよい手術適応であったと考えている. 胸壁腫瘍はまれであり, その中でも胸壁骨性腫瘍は軟部組織腫瘍に比較しまれである.そのため胸壁腫瘍の正確な診断と適切な治療の選択は難しい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸壁腫瘍, 軟骨肉腫, 胸膜播腫, 心膜再建, 胸壁再建
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