アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳頭筋壊死完全断裂による僧帽弁閉鎖不全症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 足立孝, 毛井純一, 大貫恭正, 川島雅之, 横山正義, 新田澄郎
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 1
Page : 178-183
Year/Month : 1990 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 乳頭筋完全断裂による僧帽弁閉鎖不全症は予後が著しく悪く, 手術対象となることは極めて少ない. 最近, われわれは心筋梗塞後生じたと思われる後乳頭筋完全断裂による僧帽弁閉鎖不全症の1治験例を経験した. 症例は52歳.当科入院時, 心臓悪液質などはなくNYHA class IIIであった. 心電図は後下壁の陳旧性心筋梗塞の所見を示した. 血清総ビリルビン値4.8mg/dlで肝障害を呈し, 肝の著明な腫大を認めた. 心臓血管カテーテル検査では右冠状動脈(Seg.1)で完全閉塞像及び僧帽弁閉鎖不全症を認め, 肺動脈楔入圧平均値30mmHgであった. 心エコー所見は左室内に後尖とほぼ同時に動く異常エコー像を認めたので後乳頭筋, 又は腱索の断裂を疑った. 術中所見では後乳頭筋の完全断裂を認め, SJM人工弁による弁置換術を行った. 乳頭筋完全断裂の手術治験例は報告が少なく若干の文献的考察を加え報告した. 乳頭筋完全断裂では急速に心不全が進行し, 急性期に診断, 手術されるもその経過及び予後は極めて不良である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 乳頭筋完全断裂, 僧帽弁閉鎖不全症, 僧帽弁置換術, 心筋梗塞, Static cell death
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