アブストラクト(38巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : IABPとLVADの右心補助効果に関する臨床的検討
Subtitle : 原著
Authors : 畑博明, 長谷川隆光, 北村信三, 梅田正五, 進藤正二, 塩野元美, 今村好孝, 折目由紀彦, 原田泰, 瀬在幸安
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 2
Page : 207-214
Year/Month : 1990 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : IABP及びLVADによる機械的心補助効果は, 左房圧を低下させ, 右心後負荷を軽減することにより, 左心並びに右心補助効果を示すとされている. われわれは, 臨床において術後急性期に右心前負荷が高値を示し両心不全と思われた症例に, IABP及びLVADを駆動し, その右心補助効果を検討したので報告する. IABPによる左心補助を必要としたCABG術後20症例中, 術後急性期(12時間以内)にCVPが20cmH2O以上を呈した10例をI群, 20cmH2O以下を呈した群をII群とし, 両群間でIABP駆動開始前後のm-PAP, PVR, CVP, PAWP, CI, RVSWIを測定し比較検討した. PVRは語群に有意差を認めなかったが, CVPは術後3時間より, m-PAP, PAWPは術後6時間よりI群が有意に高値を示した. CIは有意差を認めないもののII群に高値を示す傾向が認められ, RVSWIは術後6時間以降I群が有意に高値を示した. LVAD駆動症例は, 左室瘤切除術+穿孔部閉鎖術後, 2弁置換術+左室瘤切除術+CABG術後, 左室瘤切除術+CABG術後, 僧帽弁置換術+CABG術後の4例において, その右心補助効果を比較検討した. IABPの両心不全時の右心補助効果化は左心機能の改善の程度によるところが大きく, 術後急性期に併存する右心不全によりCVPが20cmH2O以上を示す場合, 右心補助効果は乏しいと思われた. 一方LVADに関しては, より優れた右心補助効果を有するものと思われたが, 右心前負荷が30cmH2Oを越えた症例では, 右心負荷状態が遷延すると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : IABP, LVAD, 右心補助, CVP, RVSWI
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