アブストラクト(38巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児の急性化膿性心膜炎の1例
Subtitle : 症例
Authors : 浜口伸正, 吉澤潔, 森田純二
Authors(kana) :
Organization : 高松赤十字病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 2
Page : 289-293
Year/Month : 1990 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは, 心タンポナーデを呈していた9カ月女児において心エコー, 心嚢穿刺などの検査にて急性化膿性心膜炎と診断し, 緊急に左開胸下にて心膜開窓術を行い, ドレナージをはかり著効した症例を経験したので報告する. 小児の急性化膿性心膜炎はまれであり, 本邦における報告例はほとんどない. 欧米においても, その頻度は少なく, また致死率は極めて高いとされている. 無治療にては全例死亡に至るため, 早期診断が必要とされるが, 心エコー検査の普及にて心嚢内液貯溜が容易に確認されるようになり, 心嚢穿刺を続いて行うことにより早期診断が以前に比べ容易になってきたことの意義は大きい. 従来, 抗生剤の投与と心嚢穿刺が主たる治療法であったが, 近年, 早期の心膜開窓術が勧められ, 救命率を上げると共に合併症としての収縮性心外膜炎を予防することが報告されている. われわれは, 9カ月女児の急性化膿性心膜炎に対し, 左開胸下に心膜開窓術を施行し, 胸腔内にドレーンを挿入しドレナージをはかり著効した症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性化膿性心膜炎, 心膜開窓術, 心タンポナーデ, 収縮性心外膜炎
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