アブストラクト(38巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体心室側房室弁逆流に対する亜全周性弁輪縫縮術の検討
Subtitle : 原著
Authors : 平松健司1), 今井康晴1), 黒澤博身1), 中江世明2), 澤渡和男1), 松尾浩三1), 坂橋弘之1), 篠崎雅人1)
Authors(kana) :
Organization : 1)東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器小児外科, 2)北里大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 3
Page : 416-420
Year/Month : 1990 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 体心室側房室弁逆流を伴う先天性心疾患16例に対し, 通常の交連形成術や弁尖形成術に亜全周性弁輪縫縮術を付加的に施行し, 逆流防止に良好な結果を得た. 縫縮の素材は10例にテフロン糸を, 2歳以下の乳幼児6例には吸収糸を使用した. 弁の変形が存在しても弁輪自体の形態に変形のない単純逆流群では特に弁輪縫縮の付加的効果は大で, 全例で逆流I度または消失まで改善し拡張末期容積は著減した. また弁の変形が強い心内膜床欠損症群でも弁尖形成を確実に行った上に弁輪縫縮を加えると効果的であった. Fontan群, BWG群でも弁輪拡大による逆流は, 弁輪縫縮により改善を見た. 本術式は比較的短時間に施行でき大動脈遮断時間の限られる高度心機能低下例にも可能で且つ逆流防止に有効であり, 房室弁逆流を伴う様々な心疾患に応用しうる有用な手技と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 房室弁逆流, 亜全周性弁輪縫縮術, 弁尖形成術, 交連形成術, 吸収糸
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