アブストラクト(38巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 術後5年で高度肺高血圧を伴う肺静脈閉塞を合併したMustard手術例に対するJatene手術
Subtitle : 症例
Authors : 若木伸夫1), 城谷均1), 奥秀喬1), 西岡孝純1), 砂川晶生2), 北山仁士1)
Authors(kana) :
Organization : 1)近畿大学医学部心臓外科, 2)近畿大学医学部心臓小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 3
Page : 465-471
Year/Month : 1990 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 生後2日目に完全大血管転位と診断され, 75日目に自己心膜を用いてMustard手術を行った症例が, 肺野のうっ血や種々の上室性不整脈を認めるようになったために, 5歳4ヵ月時に精査を行ったところ, 肺静脈閉塞による2次的と思われる高度肺高血圧及び三尖弁閉鎖不全を合併していた. 高度肺高血圧のため左室はトレーニングされており, また三尖弁閉鎖不全も合併していたことから, 5歳6ヵ月時にMustard手術のtake down及びJatene手術を施行した. 肺静脈閉塞はbaffleによるもので狭窄口は直径8mmであった. baffleを切除し, 大動脈をLecompte変法によって再建の後, 心房中隔を形成した. 術1ヵ月後のPp/Psは0.41, 三尖弁閉鎖不全並びに上室性不整脈は消失し, quality of lifeは劇的に改善向上した. 本証の経験を報告し, 併せてMustard手術後の合併症に対する治療体系のなかでJatene手術はいかに位置づけされうるかについて考察を加えた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症, Mustard手術, 遠隔期合併症, 肺静脈閉塞, Jatene手術
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