| Title ： |
複雑心奇形に対するFontan型手術後の左右心房容積とその予後に関する検討 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
加藤寛1), 松田暉1), 中埜粛1), 島崎靖久1), 岸本英文1), 三浦拓也1), 佐野哲也2), 小川實2), 川島康生1) |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
1)大阪大学医学部第1外科, 2)大阪大学医学部小児科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
38 |
| Number ： |
4 |
| Page ： |
543-550 |
| Year/Month ： |
1990 / 4 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
Fontan型手術後の両心房容積と予後の関係について検討した. 対象は僧帽弁閉鎖症1例並びに単心室症5例の計6例で全例心房内routingを行った. 手術時年齢は10.2±2.5(平均±標準偏差)歳, 手術より検査までの期間は4.1±4.8ヵ月であった. 造影により機能的右房(RA)及び左房(LA)のそれぞれの容積を求め, 各心房の最大容積を体表面積で補正し, RAVImax並びにLAVImaxとした. 心外型総肺静脈還流異常症を合併した1例は術後72日目に低心拍出量症候群にて病院死した. 術後の肺動脈平均楔入圧, 右房平均圧並びに体心室拡張末期圧は生存例で6±3mmHg, 13±5mmHg, 6±3mmHg, 死亡例で各々18mmHg, 25mmHg, 9mmHgであった. LAVImaxは生存例(5例)では53±18ml/m2と正常範囲(38±8ml/m2)またそれ以上であったが, 死亡例は13ml/m2と著しく低値であった. RAVImaxは生存例のみで求められ, 25±11ml/m2と正常(54±6ml/m2)より低値であった. LAVImaxの高値例ではPAWPm並びにRAPmは低値をとる傾向にあった. 以上より単心室を主とする複雑心奇形に対するFontan型手術時の心房内routingにおいては, 術後の機能的左房容積を正常に保つことが重要で, 機能的右房容積は正常以下でも予後に関係しないことが示唆された. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
複雑心奇形, Fontan型手術, 心房内routing, 機能的左房容積, 機能的右房容積 |
