| Title ： |
気管支原発早期扁平上皮癌の切除成績-喀痰細胞診による集検発見例を中心に- |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
斎藤泰紀1), 永元則義1), 佐川元保1), 高橋里美1), 薄田勝男1), 藤村重文1), 仲田祐2), 今井督3), 橋本邦久4), 大久田和弘5) |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
1)東北大学抗酸菌病研究所外科, 2)仙台厚生病院, 3)青森県立中央病院呼吸器外科, 4)岩手県立中央病院呼吸器外科, 5)宮城県立瀬峰病院外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
38 |
| Number ： |
4 |
| Page ： |
560-566 |
| Year/Month ： |
1990 / 4 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
肺癌集検における喀痰細胞診により, 81例のX線写真無所見の扁平上皮癌を発見し, 67例(83%)を切除した. そのうち64例(96%)は絶対的治癒切除を施行することが可能で, 同時に発見されたX線写真有所見例より有意に(p<0.01)高い比率であった. 67例中腫瘍が気管支壁に限局した症例は56例あり, これら全例においてリンパ節転移を認めなかった. この56例中14例(25%)は亜区域気管支(III次)ないしその末梢に主たる占拠部位があった. また, X線写真無所見で, 腫瘍が気管支壁を越えた症例は11例あり, このうち3例にはリンパ節転移を認めた. 占拠部位を問わず, 腫瘍が気管支壁に限局しリンパ節転移及び遠隔転移のない症例を気管支原発早期扁平上皮癌と定義すると, 56例が該当し, 切除した67例中84%を占めた. 早期扁平上皮癌の5年生存率は91.8%と極めて良好で, 喀痰細胞診のみあるいは喀痰細胞診とX線写真の両方で発見し, 切除したが早期ではなかった28例の5年生存率75.6%よりも有意に(p<0.05)良好であり, この定義は妥当と考えられた. 多発癌の発生率はX線無所見例で11.1%であったが, 切除後に多発癌が発生した3例中2例は切除しえ, 再発なく生存中である. 従って, X線写真無所見の扁平上皮癌に対する治癒切除を目的とした外科治療の意義は極めて大である. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
早期肺癌, X線写真無所見肺癌, 切除成績, 喀痰細胞診, 集団検診 |
