アブストラクト(38巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 妊娠後期に発症した感染性心内膜炎に対し, 帝王切開後, 僧帽弁置換術を施行した1例
Subtitle : 症例
Authors : 相馬孝博, 横沢忠夫, 岩松正, 入沢敬夫
Authors(kana) :
Organization : 竹田綜合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 6
Page : 1035-1038
Year/Month : 1990 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は18歳時から僧帽弁逸脱症候群を指摘されていた25歳女性で, 妊娠27週にα溶連菌による感染性心内膜炎に罹患した. 抗生剤投与により解熱傾向となったが, 僧帽弁に疣贅が認められたため, 妊娠35週にて帝王切開術を施行し男児を得た. その後発熱が続き抗生剤治療を継続していたが, 血尿・Osler結節が出現したので, 活動期であったが僧帽弁置換術を施行し, 術後経過は良好であった. 妊娠中に感染性心内膜炎を合併し, 開心術を行う必要が生じた場合, 本症例のように児生存の可能性ある妊娠24週以降は, 可及的に分娩を先行されることが望ましい. 優れた抗生物質の開発や心エコー法の進歩により, 近年感染性心内膜炎(以下IE)の治療成績は著しく向上し, 活動期IEに対する外科治療も積極的に行われるようになった. 一方妊娠に合併するIEの頻度は, Holtら1)によれば8,000例に1例と非常に低く, 本邦でも数例の報告があるのみである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 妊娠, 感染性心内膜炎, 僧帽弁逸脱症候群, 僧帽弁置換術
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