アブストラクト(38巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児の巨大胸腺脂肪腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 野口保蔵, 清水達也, 前部屋進自, 横井秀樹, 西村治, 内藤泰顕
Authors(kana) :
Organization : 和歌山県立医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 6
Page : 1045-1048
Year/Month : 1990 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸腺脂肪腫は, 本邦でも報告が少なくまれな疾患である. われわれは検診で胸部の異常陰影を指摘された6歳男児の巨大な胸腺脂肪腫の1例を経験した. CT及びMRI検査で多くの脂肪組織を含む縦隔腫瘍が疑われた. 手術は胸骨正中切開と左第4肋間前側方開胸で行い腫瘍を一塊に切除した. 術後の組織学的検索では脂肪組織と正常胸腺組織の混在を認め, 胸腺脂肪腫と診断された. 腫瘍の大きさは85×140×210mm, 重さは1,380gであった. われわれが検索した範囲では, 本邦で19例の報告があり, 患者自身の体格から考え, 本例は最も巨大な胸腺脂肪腫と考えられた. 小児の縦隔腫瘍は, 良性腫瘍が多くその約40%が神経原性腫瘍である1). しかし, 胸腺由来の腫瘍は少なく, 中でも胸腺脂肪腫は極めてまれで, 本邦ではわれわれが検索した範囲では19例の報告を見るに過ぎない. 今回われわれは, 小児の巨大な胸腺脂肪腫の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔腫瘍, 良性腫瘍, 胸腺脂肪腫
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