アブストラクト(38巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道, 肺同時性重複癌の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 福田宏嗣1), 荻野信夫1), 高尾哲人1), 小林春秋男1), 城戸哲夫2)
Authors(kana) :
Organization : 1)国立呉病院外科, 2)国立呉病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 6
Page : 1053-1058
Year/Month : 1990 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は69歳の男性で, 食後の胸のつかえ感のために当科を受診した. 上部消化管造影で胸部中部食道に4cmにわたり隆起性病変を認め, 食道癌の診断で術前精査を進めていた. 胸部レントゲン写真で右上葉S3領域の無気肺像を認め, 気管支鏡検査を施行したところ右B3入口部を閉塞する腫瘤を認めた. 病理組織診断は扁平上皮癌であった. 胸部中部食道癌及び肺門部肺癌の同時性重複癌の診断で手術を施行した. 手術は, 右肺上葉切除及び気管支楔状切除を行い, 続いて食道亜全摘と胸骨後経路頸部食道胃管吻合術を行った. 術後経過は良好で肺合併症もなく術後10日目に抜管した. 食道, 肺の同時性重複癌は比較的まれである. このような同時性重複癌でも安全に一期的切除及び食道の再建を行うことが可能であり, 根治的な治療方針で臨むべきと考えられた. 食道と肺の同時性重複癌はまれであり, 治療においては, 外科的治療を一期的に行うか, 二期的に行うかが問題となる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道, 肺同時性重複癌, 一期的手術
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