アブストラクト(38巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 逆行性心灌流を用いたhypothermic heart-lung preservation systemによる長時間心肺保存に関する研究
Subtitle : 原著
Authors : 妹尾嘉昌1), 坂東興2), 多胡護1), 瀬野晋吾1), 寺岡広道1), 寺本滋1)
Authors(kana) :
Organization : 1)岡山大学医学部第2外科, 2)Johns Hopkins大学心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 9
Page : 1453-1458
Year/Month : 1990 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 長時間安全且つ確実に保存し得るhypothermic heart-lung preservation systemを確立する目的で, 人工血液添加細胞内液により逆行性に心灌流を行い, 肺は細胞外液による浸漬保存を行う保存法を考案し, その有用性を検討した. Donor心肺を体外循環によるcore-cooling(15℃), cardioplegiaによる心停止ののち摘出し, 摘出直後(I群, n=5) あるいはこの保存法により12時間保存後(II群, n=5), recipient犬にheterotopic heart-unilateral left lung transplantationを行った. 移植心の機能をend-systolic pressureとend-systolic dimension比(ESP/ESD)により評価すると, I・II群間に有意差はなかった. 移植時の機能評価では, 肺血管抵抗(PVR)及び肺血管外水分量(EVLW)はII群がI群に比し有意に高かったが, PO2測定によるガス交換能には有意差がなかった. 保存肺の機能をより高めるための努力が更に必要であるが, この保存法により12時間心肺保存が可能であると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心肺保存, hypothermic heart-lung preservation, 細胞内液逆行性冠灌流, 細胞外液浸漬保存
このページの一番上へ