アブストラクト(38巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 家族性に発症した解離性大動脈瘤の3症例について
Subtitle : 症例
Authors : 原田英之1), 一宮康乗1), 鎌田幸一1), 数井暉久2), 小松作蔵2)
Authors(kana) :
Organization : 1)北海道立釧路病院胸部外科, 2)札幌医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 9
Page : 1497-1500
Year/Month : 1990 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : マルファン症候群以外で解離性大動脈瘤が, 一家系内に2人以上発生することは, 非常にまれである. 最近著者らは, 54歳男性, 57歳女性及び49歳男性の解離性大動脈瘤を有する3同胞例を経験した. このうち2症例に対し血行再建術を施行し, 良好な結果を得た. 手術例の組織学的所見は嚢胞性中膜壊死を示していた. 3症例は, マルファン症候群に特徴的な骨格, 眼の異常は全く認められず, metacarpal indexも正常であり, 家系内にもマルファン症候群を示すような家族はいなかったことから, マルファン症候群とは診断されなかった. 両親はいとこ結婚であり, 遺伝的素因の関与が示唆され, 家族性に発症した解離性大動脈瘤と考えられた. マルファン症候群以外で解離性大動脈瘤が, 一家系内に2人以上発生することは, 非常にまれである1). 最近著者らは, 解離性大動脈瘤を有する3同胞例を経験したので報告する. 「症例」症例1:54歳男性で, 昭和63年5月31日突然の胸痛及び背部痛を主訴に来院, 胸部X線上, 上縦隔影及び心陰影の拡大所見, 及び聴診上Levine IV°の収縮期, 拡張期雑音が聴取されたため, 大動脈弁閉鎖不全症(以下AR)を伴う解離性大動脈瘤が疑われ入院となった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : マルファン症候群, 嚢胞性中膜壊死, 家族性解離性大動脈瘤
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