アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸部下行大動脈真腔閉鎖を来したDeBakey IIIb型解離性大動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 西浦和男, 浦山博, 片田正一, 川上健吾, 渡辺洋宇, 岩喬
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 10
Page : 2128-2132
Year/Month : 1990 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸部下行大動脈真腔閉鎖を来したDeBakey IIIb型解離性大動脈瘤の症例を経験し救命し得たので報告する. 症例は64歳男性で胸部及び背部激痛を主訴として当科緊急入院となった. 降圧療法を施したが入院14日目に胸部下行大動脈真腔閉鎖を来したため入院78日目に手術を施行した. 術式は解離が広範であり, また腎不全, 低肺機能, 以前の脳内出血による左不全麻痺を認めたため, 上行大動脈-腹部大動脈のextra-anatomic bypassとpermanent aortic clampによるthromboexclusion法を行った. 術後対麻痺は起こらず腎機能もよく改善し良好な結果が得られた. 術後血管造影においてbypass部位の流れも良好であり, 術後5ヵ月のCT像では動脈瘤の拡大はなく胸部下行大動脈は血栓曠置されていた. 解離性大動脈瘤の病態は多彩であり, また治療上の問題点も多い. 今回, 胸部下行大動脈真腔閉鎖及び腎不全を来したDeBakey IIIb型解離性大動脈瘤の症例に対して, 上行大動脈-腹部大動脈extra-anatomic bypassとpermanent aortic clampによるthromboexclusion法を行い救命し得たので若干の考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : DeBakey IIIb解離性大動脈瘤, 真腔閉鎖, extra anatomic bypass, permanent aortic clamp, thromboexclusion
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