アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈原発悪性血管内皮腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 松元仁久, 森下靖雄, 西元寺秀明, 平明
Authors(kana) :
Organization : 鹿児島大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 10
Page : 2143-2147
Year/Month : 1990 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 極めてまれとされている大動脈原発の悪性腫瘍の1例を経験した. 嗄声と咳嗽を主訴に来院した54歳女性で, 弓部大動脈瘤の診断で手術した. 術後, 動脈瘤壁の一部から悪性細胞が検出され, 免疫組織化学的検索より, 悪性血管内皮腫の確定診断を得た. 術後12ヵ月目の再手術は試験開胸に終り, 13ヵ月目に死亡した. 大動脈原発の悪性腫瘍は, 自験例を含めて37例しか報告されてなく, 本邦では3例にすぎない. 極めてまれな症例であり, 外科治療上多くの問題点を抱えているため, 文献的考察を加えて報告した. 大動脈に原発する悪性腫瘍の報告は極めて少なく, 外科治療上多くの問題を抱えている. 最近, 著者らは胸部大動脈瘤の診断で手術を行い, 病理組織学的・免疫組織化学的に悪性血管内皮腫の診断を得た症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:54歳, 女性 主訴:嗄声, 咳嗽 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし 現病歴:昭和62年10月頃から嗄声と咳嗽が出現し, 次第に増強したため, 同年12月某医を受診した. 胸部単純X線写真で異常を指摘され, 当科に紹介された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸部大動脈瘤, 大動脈原発腫瘍, 悪性血管内皮腫
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