アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 冠動静脈瘻を合併していた非虚血性心室性頻拍の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 末田泰二郎1), 松浦雄一郎1), 浜中喜晴1), 中川博2), 磯部文隆3), 中村好秀4)
Authors(kana) :
Organization : 1)広島大学医学部第1外科, 2)広島大学医学部第1内科, 3)国立循環器病センター心臓外科, 4)近畿大学医学部心臓小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 10
Page : 2152-2156
Year/Month : 1990 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 冠動静脈瘻を合併していた左室起源の非虚血性心室性頻拍の外科治療の報告は珍しい. 症例は22歳の男性で, 8年来心室性頻拍発作を主訴に抗不整脈剤の内服を行ってきた. 4年前に冠動静脈瘻の診断を受け, 心室性頻拍が動静脈瘻による心筋虚血で起こっているものと疑われ瘻閉鎖術を施行されたが心室性頻拍は治癒しなかった. 今回まず電気生理学的検査を行い最早期興奮部位と診断された左室心尖部後壁のcatheter ablationを2度にわたり施行したが無効であった. 手術時の心表面及び心内膜マッピングでは最早期興奮部位は左室の心尖部中隔に存在した. 左室後乳頭筋基部の中隔と後壁に-150℃の冷凍凝固を加え, 術後心室性頻拍は完全に消失した. 本症例は術前後の電気生理学的検査と術中の心室切開において興味深い知見を得たので報告する. 薬物抵抗性の非虚血性心室性頻拍の外科治療は岩1)やFontaineら2)により報告され, 心表面及び心内膜マッピングの精度の向上と手術経験の増加でその治療成績は著しく向上しつつある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 非虚血性心室性頻拍, 冠動静脈瘻, 冷凍凝固
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