アブストラクト(38巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 運動時の完全人工心臓の制御方法の研究-自然心臓の心拍出量時間変化曲線を目標関数とする予測制御方法-
Subtitle : 原著
Authors : 前田潔, 渥美和彦
Authors(kana) :
Organization : 東京大学医学部医用電子研究施設
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 11
Page : 2244-2256
Year/Month : 1990 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 運動時の完全人工心臓の制御方法として予測制御方法を開発した. この制御方法は人工心臓を装着した生体に運動負荷を与える場合, 人工心臓の拍出量を同じ運動量に対する自然心臓の心拍出量の時間変化曲線に追従させるように空気圧型人工心臓駆動装置の駆動条件をコンピュータを用いて自動的に制御を行うものである. この予測制御方法の評価のために4頭の完全人工心臓置換ヤギにこの制御方法を用いて運動負荷を与え, 運動負荷前から負荷後の血行動態の変化, また, 運動負荷前, 直後の血中乳酸値, 血中カテコラミン値, 動静脈血酸素較差, 血中ヘモグロビン値の変化を観察し, それらの各値を, 従来から行われている安静時の駆動条件に固定したままで運動負荷を与える固定制御方法の場合と比較した. その結果予測制御方法を用いて運動負荷を与えた場合, 人工心臓の拍出量時間変化曲線は自然心臓のそれに極めて類似した変化を示した. 一方, 固定制御方法の場合は心拍出量の増加は見られなかった. また血中乳酸, 血中カテコラミン, 動静脈血酸素較差の負荷直後の値の負荷前値に対する増加率は予測制御方法の方が固定制御方法よりも有意に低い値を示した. 以上の結果より, 完全人工心臓で置換された生体に運動負荷を与える場合, 予測制御方法を用いる方が固定制御方法よりも生体に与えるストレスが少ないことが明らかになり, 本方法が人工心臓に自然心臓が持つような神経性, 液性因子を含めた理想的なフィードバック制御が開発されるまでの過渡的方法として有効であると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全人工心臓, 運動負荷, 制御方法, 心拍出量, 乳酸, カテコラミン
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