アブストラクト(38巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 緊急帝王切開とpatch graft aortoplastyにより救命した妊娠32週, Stanford A型解離性大動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 丸山行夫, 小熊文昭, 小菅敏夫, 横沢忠夫, 江口昭治
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 11
Page : 2296-2299
Year/Month : 1990 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 若い女性における解離性大動脈瘤はまれとされているが, 40歳以下で発症した例では, その約50%は妊娠と合併しているといわれている. 今回われわれは, Marfan症候群の女性で妊娠32週に発症した, Stanford A型解離性大動脈瘤症例に対し, 緊急帝王切開術に引き続き, 人工心肺を使用し, 上行大動脈のpatch graft aortoplastyを行い, 母子ともに救命したので報告する. 術中逆行性解離が起き, 一時心停止状態となったが, 送血路を上行大動脈のパッチ部分に移し, 人工心肺から離脱した. 著者らの調べ得た範囲では, 帝王切開後引き続き解離性大動脈瘤の手術を行い救命し得たのは, 本例が本邦最初の報告と思われる. 妊娠中に発症した, 解離性大動脈瘤に対する手術報告例は, いまだ少い. 今回帝王切開術に引き続いて解離の修復を行い, 母子ともに救命し得た症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」症例は29歳の初妊婦で妊娠32週, 職業は看護婦であった. 家族歴では, 父方の祖父と父がそれぞれ45歳と48歳で急死したが, その死因は不明であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 妊娠, 解離性大動脈瘤, Marfan症候群, 術中逆行性解離
このページの一番上へ