アブストラクト(38巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 摘出縦隔嚢腫が潜在性甲状腺癌の縦隔リンパ節転移であった3手術症例
Subtitle : 症例
Authors : 奥村明之進1), 安光勉1), 古武彌宏1), 太田三徳2), 大嶋仙哉3), 宮内昭4)
Authors(kana) :
Organization : 1)大阪府立羽曳野病院外科, 2)国立療養所刀根山病院外科, 3)紀南総合病院外科, 4)香川医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 11
Page : 2307-2313
Year/Month : 1990 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔腫瘍の術前診断に基づき摘出した縦隔嚢腫が組織学的に甲状腺乳頭癌の縦隔リンパ節転移と判明したまれな3例(38歳・男性, 67歳・女性, 58歳・女性)を経験した. 3例とも甲状腺の精査により原発巣を確認し引続き根治術を施行したところ, 甲状腺原発巣は潜在性甲状腺癌の定義にあてはまるものであった. 甲状腺原発巣に対する診断法として, 超音波検査において全例に病変を描出し得たがCT, シンチ(123I, 201Tl)では描出率は33から67%であった. 縦隔嚢腫様陰影に遭遇した際には, 潜在性甲状腺癌からの縦隔リンパ節転移も念頭に置き, 術前に頸部の検索, 特に超音波検査も考慮すべきと思われる. 甲状腺に対する治療としては多中心性や線内転移の問題から, 甲状腺全摘術に加えて術後131Iによる放射線療法を加えることが適当と考える. 縦隔腫瘍の診断のもとに摘出した縦隔嚢腫が組織学的に甲状腺乳頭癌の縦隔リンパ節転移であったまれな症例を3例経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔嚢腫, 縦隔リンパ節転移, 潜在性甲状腺癌
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