アブストラクト(38巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓弁膜症を合併したべーチェット病の外科治療
Subtitle : 症例
Authors : 杉本貴樹, 宮下勝, 太田稔明, 山下長司郎, 岡田昌義, 中村和夫
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 11
Page : 2320-2325
Year/Month : 1990 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ベーチェット病に心臓弁膜症を合併したまれな2例を経験し, 良好な経過を得たので報告する. 症例1はバルサルバ洞の膨隆下垂と左冠尖の穿孔により高度の大動脈弁逆流を来した例で, 大動脈弁置換術が行われた. 症例2は大動脈右冠尖の短縮と僧帽弁輪の拡大により両弁の逆流を来した例で, 大動脈弁置換術に加え僧帽弁輪縫縮術が行われた. 本症に対する弁置換術の予後は従来極めて不良とされ, 術後の炎症再燃時のperivalvular leakageなどに対する予防が問題となる. これに対するわれわれの方針は, 1. 術前には十分なステロイド剤投与にて炎症の鎮静化をはかる. 2. 弁置換には機械弁を用い, 弁座の縫合固定を容易確実にするため小口径の弁を選択する. 3. 術後も血沈, CRP, 皮膚・粘膜症状を指標に十分なステロイド剤投与を継続し, 炎症の再燃を防止する. 以上の方針により上記2症例を術後5, 2年の長期にわたり合併症なく社会復帰させている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ベーチェット病, 心臓弁膜症, 弁置換術, ステロイド剤
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