アブストラクト(38巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 慢性透析中に心内膜炎による三尖弁閉鎖不全を発症した左室右房交通症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 秦紘, 岡部学, 牧野茂行
Authors(kana) :
Organization : 県西部浜松医療センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 12
Page : 2421-2425
Year/Month : 1990 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 透析患者に対する開心術は増加しその成績も向上している. 著者らは35歳女性の慢性腎不全患者で透析中に心内膜炎を発症した左室右房交通症再開通例を経験した. 抗生物質の投与によって心内膜炎が制御できないため感染活動期に手術を行った. 術直前4日間の連続透析の後体外循環に人工透析を併用して手術を行った. 術後は3日目まで透析を行わなかったが患者の全身状態は安定しており術後4日目から通常の隔日透析を行い順調な経過をとって53日目に退院した. 十分な準備のもとに行えば透析患者の開心術は再手術であっても安全に施行できる. 最近, 透析患者に対する開心術の報告が増加している. 今回私達は, 慢性透析患者で左室右房交通症の再開通例に三尖弁ゆうぜいを伴う細菌性心内膜炎活動期の35歳女性に対し交通孔パッチ閉鎖, 三尖弁修復及び弁輪縫縮術を行い救命した. 本例は慢性透析患者であるうえに再開心術であり, 更に心内膜炎活動期に手術を行わざるを得ないという困難な条件が重なったが入念な準備と手術計画により満足すべき結果が得られたので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左室右房交通症, 感染性心内膜炎, 透析患者の開心術, 心臓再手術, 三尖弁形成術
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