アブストラクト(38巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 発作性心房性頻拍(PAT)を合併したWPW症候群の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 須藤義夫, 高原善治, 村山博和, 仲田勲生, 瀬崎登志彰, 中村常太郎
Authors(kana) :
Organization : 千葉県立心肺センター鶴舞病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 12
Page : 2431-2435
Year/Month : 1990 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は, 意識消失を伴った重篤な頻拍発作を呈した47歳の男性である. 電気生理学的検査で, 発作性心房性頻拍(PAT)と, 副伝導路を介した房室リエントリー性頻拍の2種類の頻拍が誘発された. 臨床的に見られた頻拍はPATが副伝導路を介して心室へ伝わるものと考えられた. 術中心表面マッピングで, PATの最早期興奮部位は左房の頭側壁に認められ, 副伝導路は左室後側壁に存在している事が判明した. PATの最早期興奮部に対する冷凍凝固と, 左房内側からの副伝導路切除を行った. 術後1ヵ月目の電気生理学的検査にて, PATも房室リエントリー性頻拍も誘発されないことが確認され, 良好な経過が得られた. 近年不整脈に対する電気生理学的な理解が深まり, 重篤な不整脈に対する手術治療が可能となってきている. 発作性上室性頻拍(PSVT)に関しては, 副伝導路の関与するものに対する外科治療は広く行われているが, 副伝導路の関与しないPSVTに対する手術の報告はいまだ少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : WPW症候群, 発作性心房性頻拍, 心房内リエントリー, 冷凍凝固
このページの一番上へ