| Title ： |
体外循環中における虚血前後の心筋ヌクレオチドの変動 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
日置正文, 武井裕, 宇都宮英敏, 家所良夫, 橋本憲二, 田中茂夫, 庄司佑 |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
日本医科大学第2外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
39 |
| Number ： |
1 |
| Page ： |
7-13 |
| Year/Month ： |
1991 / 1 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
開心術における心筋の虚血時と再灌流時の心筋内高エネルギー燐酸化合物の推移を知ることは心筋保護の面から重要である. 今回心臓手術19例について大動脈遮断前・中・後に心筋(右心房筋と一部左心室筋)を採取しLuciferin-Luciferase法, Lowry法を用いてadenosine triphosphate(ATP), adenosine diphosphate(ADP), adenosine monophosphate(AMP), creatine phosphate(CP)を測定し次の結果を得た. 右心房筋の総ヌクレオチド値は, 1. 体外循環大動脈遮断前：14.94±4.12μg/mg・protein(n=19) 2. 大動脈遮断後：5.59±2.16(n=16) 3. 大動脈遮断解除30分：3.58±1.14(n=13) 4. 体外循環終了時：7.96±1.58(n=15)であった. 同時に症例の一部(n=6)より採取できた左室心筋の測定値は, a. 18.22±4.90μg/mg・protein b. 6.99±1.52 c. 4.35±1.06 d. 9.25±2.46と左室心筋が心房筋より高い値での推移を示した. 心房・心室筋とも大動脈遮断と共にヌクレオチド類は急速に減少し遮断前値の37%・38%に, 再灌流後30分では両者とも23%まで減少した. 循環動態の安定した体外循環終了時でも53%・50%の回復に留まった. 大動脈遮断時間と心房筋のヌクレオチド類含有量の間には負の相関が認められた(p<0.05). 再灌流後の心房筋ヌクレオチドの回復は温度による影響をうけた. 今回測定したヌクレオチド類の変動からみると, 現行のGIK液による心筋保護法では虚血と再灌流障害からの総ヌクレオチドの回復は不良であった. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
心筋内ヌクレオチド(ATP), 心房筋保護, 虚血と再灌流障害, GIK液 |
