アブストラクト(39巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性解離性大動脈瘤の術後にMNMSと著しい高カルシウム血症を合併した1例
Subtitle : 症例
Authors : 内田敬二, 近藤治郎, 井本清隆, 梶原博一, 真下好勝, 松本昭彦
Authors(kana) :
Organization : 横浜市立大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 1
Page : 86-89
Year/Month : 1991 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : MNMS(myonephropathic-metabolic syndrome)の経過中にカルシウム代謝異常を来すことが知られているが, 本症例のように著しい高値を示す例はまれと思われるので, MNMSと高カルシウム血症の発症, 経過について文献的考察を加えて報告する. 42歳男性の急性期DeBakey I型解離性大動脈瘤に対し, 右大腿動脈送血による脳分離体外循環下に上行弓部大動脈人工血管置換を施行したところ, 術後に右下肢の阻血からMNMSによる急性腎不全に陥った. 大動脈解離による右下肢の血行障害に長時間の大腿動脈送血の影響が重なってMNMSを発症したと考えられた. 腎不全に対して腹膜透析, 血液透析, CAVHを施行し改善を見たが, その利尿期に20.0mg/dlに達する高カルシウム血症を認めた. 高カルシウム血症に対してはカルシトニンの投与が有効であった. 急性動脈閉塞など様々な原因による横紋筋壊死によってMNMS(myonephropathic-metabolic syndrome)が発症することは知られているが, 今回われわれは解離性大動脈瘤の手術を契機としたMNMSを経験し, またその経過中著しい高カルシウム血症がみられたので, MNMSと高カルシウム血症の発症と経過につき文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 解離性大動脈瘤, 脳分離体外循環, MNMS, 高カルシウム血症
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