アブストラクト（39巻1号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 感染性左房粘液腫の1手術治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 神頭定彦1), 藤井尚文1), 岨手善久2), 野原秀公3) |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 1)長野赤十字病院心臓血管外科, 2)長野赤十字病院外科, 3)信州大学医学部第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 1 |
| Page ： | 98-102 |
| Year/Month ： | 1991 / 1 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 世界で13例の報告しかない極めてまれな感染性左房粘液腫を経験し, 手術治療により良好な結果を得たので報告する. 症例は52歳, 男性. 抜歯後, 発熱のため某院に入院し, 抗生剤を2ヵ月間投与されていた. 退院後, 左前腕の発赤・疼痛が出現し当科を受診した. 体温37.4℃で, 血液検査にて感染所見を認めた. 超音波及び動脈造影検査にて, 左上腕動脈が橈骨動脈及び尺骨動脈の分岐部で閉塞していた. 心雑音を聴取したため, 感染性心内膜炎を疑い心臓超音波検査を施行したところ, 疣贅を伴った左房粘液腫が存在していた. 直ちに左上腕動脈塞栓除去術を行い, 翌日, 左房粘液腫摘除術及び疣贅を伴った僧帽弁に対し僧帽弁置換術を施行した. 病理検査にて, 左房粘液腫内にGram陽性球菌を検出した. 術後経過は良好で, 術後10ヵ月経た現在も感染再燃徴候は見られない. 感染症を伴った左房粘液腫は極めてまれである. 今回, われわれは左上腕動脈塞栓を初発症状とした感染性左房粘液腫を経験し, 手術治療により良好な結果を得たので, 若干の文献的考察を加えて報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 感染性左房粘液腫, 疣贅塞栓症 |
