アブストラクト(39巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 連合弁膜症を合併した収縮性心膜炎の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 岡部学, 牧野茂行, 秦紘
Authors(kana) :
Organization : 県西部浜松医療センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 1
Page : 103-107
Year/Month : 1991 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 収縮性心膜炎と弁膜症の合併はまれである. 大動脈弁・僧帽弁及び三尖弁閉鎖不全の連合弁膜症を合併した収縮性心膜炎に対し, 心膜剥皮術及び大動脈弁人工弁置換術, 僧帽弁及び三尖弁輪縫縮術を施行した. 手術により血行動態は著明に改善し, また術前に合併した重症肝機能障害も術後は消失した. 本例においては, 体外循環を用いての十分に広範な石灰化心膜の切除による心拡張障害の除去及び確実な心内修復が奏功したと考えられた. 収縮性心膜炎の歴史は古く, 既にWhiteが1935年にLancetに子細な知見を述べている. 以後その診断, 治療について多くの報告がなされているが弁膜症を合併した収縮性心膜炎の手術報告例はまれである. 特に本例においては, 収縮性心膜炎に依る心拡張障害に加え二次性三尖肝閉鎖不全症も合併しており, 長期間の肝うっ血による重症肝機能障害を合併していた. 本例においては, 体外循環を用いての術中の広範な心膜切除に依る心拡張障害の十分な除去及び確実な心内修復が良好な術後経過の重要な決定因子であったと考えられたので文献的考察も含めて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 収縮性心膜炎, 連合弁膜症, 肝機能障害, 体外循環
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