アブストラクト(39巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 左肺全摘術後の胸腔内SF6注入により術前の著しい縦隔偏位の改善を認めた気管支カルチノイドの1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 寺田泰二1), 松延政一1), 鳥羽紀成1), 根本正1), 津田透1), 清水慶彦2) |
Authors(kana) : | |
Organization : | 1)総合病院健康保険滋賀病院呼吸器センター, 2)京都大学医用高分子研究センター実験外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 39 |
Number : | 1 |
Page : | 113-115 |
Year/Month : | 1991 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 左主気管支原発の気管支カルチノイドの53歳男性症例に, 左肺全摘術を施行した. 術前, 左肺含気縮小, 著しい縦隔の左方変位を来していたが, 術後左胸腔にSF6の注入を行ったところ, 術前変位していた縦隔が慢性期にあっても正中位に復した. 通常, 胸腔内SF6注入は, 一側肺全摘術後, 縦隔の変位, 対側の残存肺の過膨張を防止する目的で術後近接期に注入されるが, 腫瘍による気道閉塞から長期に渡り縦隔変位が生じたと考えられた症例に対しても有効であった. また, 手術前後の肺機能の比較を行ったところ, PEFR, RV, RV/TLCに改善が認められた. 最近, われわれは, 左主気管支原発の気管支カルチノイドから, 左肺含気縮小, 著しい縦隔の左方変位をきたしていた症例に, 左肺全摘術を施行した. 術後, 左胸腔にSF6の注入を行ったところ, 術前変位していた縦隔が慢性期にあっても正中位に復したので, 若干の文献的考察を加え, ここに報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | カルチノイド, 縦隔変位, 体側肺過膨張, SF6 |