アブストラクト(39巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右心室原発血管腫の1手前例
Subtitle : 症例
Authors : 小田勝志*, 田宮達男, 山本彰, 土岐泰一, 広瀬邦彦, 泉敏
Authors(kana) :
Organization : 高知医科大学第2外科, *兵庫県立尼崎病院心臓センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 2
Page : 200-203
Year/Month : 1991 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 原発性心臓腫瘍の中で血管腫は少なく特に右心室原発のものは極めてまれである. われわれは本症に対し手術にて摘出し得たので報告する. 症例は21歳の男性で, 心エコーにて右心室前壁から流出路に突出する腫瘤像を認めた. 冠動脈造影で腫瘍は右冠洞から直接分岐している円椎動脈により主に栄養されており, また右冠動脈, 左冠動脈からも栄養血管を認めた. 体外循環下に手術を施行し, 腫瘍を摘出した. 摘出した腫瘍の大きさは5cm×5cmで病理組織学的検査でintramuscular typeの血管腫と診断された. 術後経過は良好であり, 術後4年の現在元気に日常生活を送っている. われわれの調べ得た範囲では自験例は本邦2例目の右心室原発血管腫に対する手術報告例である. 原発性心臓腫瘍の発生頻度は0.0017~0.03%で約80%が良性である1)~3). 血管腫は良性腫瘍の2.8% 3)とまれで, その中でも右心室原発のものは極めて少なく, 本邦ではこれまでに1例の手術報告例を見るのみである4).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 原発性心臓腫瘍, 血管腫
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