アブストラクト(39巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 橋本病を合併した高齢発症重症筋無力症に対し拡大胸腺摘出術を施行した1例
Subtitle : 症例
Authors : 水谷伸, 中岡和哉, 大野喜代志, 早川正宣, 西山誠, 長谷川順一
Authors(kana) :
Organization : 国立呉病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 2
Page : 228-231
Year/Month : 1991 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 74歳という高齢で発症し, 橋本病を合併した重症筋無力症の1例を経験した. 患者は四肢脱力感, 発汗減少を主訴に来院, Tensilon testにて重症筋無力症と診断された. また, 甲状腺機能低下症を伴い, 甲状腺の生検組織像より橋本病と診断された. 拡大胸腺摘出術, 抗ChE剤の投与, 及び甲状腺ホルモン剤の投与を行い, 良好に経過している. 70歳以上の高齢で発病した重症筋無力症は, 本邦では過去10例の報告をみるのみであり, しかも橋本病を合併した症例はそのうち3例のみと極めてまれである. 高齢者の重症筋無力症でも積極的に拡大胸腺摘出術を含め根本治療を考慮すべきと思われた. 高齢者に発病する重症筋無力症(以下MG)は本邦では比較的少ないとされており1)2), その中でも70歳以上で発病した症例は極めてまれである. また, MGはときに自己免疫疾患を合併することが知られており3), 橋本病もその1つで, その発症機序や因果関係は興味の持たれるところである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 重症筋無力症, 橋本病, 高齢発症, 拡大胸腺摘出術
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