アブストラクト(39巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右上葉管状切除後の気管支吻合部肉芽閉塞に対するレーザー治療の1例
Subtitle : 症例
Authors : 岡田信一郎, 斎藤泰紀, 小林俊介, 稲葉浩久, 藤村重文
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 2
Page : 232-235
Year/Month : 1991 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌に対する右上葉管状切除後の気管支吻合部閉塞を来した症例に対し, レーザー治療を施行し良好な結果を得たので報告した. 症例は57歳男性で, 肺癌の右上葉管状切除後4ヵ月目に呼吸困難が出現するようになり, 近医にて胸部X線上右無気肺を指摘され当科へ入院した. 気管支鏡検査所見では気管支吻合部はほぼ全周性に閉塞していた. 閉塞部の生検では肉芽組織のみで悪性所見は認めなかった. 気管支造影併用血管造影では, 閉塞は気管支吻合部のみでその末梢気管支の開存性は良好で, 吻合部と交通する明らかな太い血管は認められなかった. YAGレーザーを計774ジュール照射した. 術後右肺の膨張も良好で, 治療1ヵ月後の気管支鏡所見でも照射部の開存性は良好である. 気管支管状切除後の肉芽による閉塞に対するレーザー治療では, あらかじめ閉塞部の血管系との関連性及び末梢気管支の状況を把握することが重要であり, 気管支造影併用肺動脈造影法は非常に有用と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管支管状切除, レーザー治療, 気管支吻合部肉芽閉塞
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