アブストラクト(39巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 非穿通性外傷に起因した心臓損傷の2治験例
Subtitle : 症例
Authors : 西村秀紀*, 疋田仁志, 千賀脩, 宮川信, 中野博文*, 深谷幸雄*
Authors(kana) :
Organization : 飯田市立病院外科, *信州大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 2
Page : 240-244
Year/Month : 1991 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 交通事故の増加と共に非穿通性外傷による心臓損傷の報告が増加しつつあるが, 心臓破裂及び大動脈弁閉鎖不全症の手術救命例の報告は本邦では極めて少ない. 最近経験した心臓損傷の2例を報告する. 症例1は78歳男性で, 作業中はねた木片が前胸部を打撲し, ショック状態となった. 心タンポナーデの診断で手術を行ったところ, 右室に径約3mmの破裂口を認めた. 人工心肺非使用下に直接縫合にて閉鎖した. 症例2は65歳男性で, 作業中誤って転落し左胸背部を打撲した. 受傷後側3週間頃より左心不全症状が出現した. 精査で大動脈弁閉鎖不全症と診断された. 人工心肺下に大動脈弁を観察すると, 無冠尖に穿孔を認めたため弁置換術を行った. 病理学的に弁には炎症性変化を認めず, 外傷性の穿孔と診断した. 非穿通性心臓損傷の診断には超音波検査が有用であり, 心臓破裂では早期手術を行い, 大動脈弁閉鎖不全症では弁置換術を選択するべきである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 非穿通性心臓損傷, 心臓破裂, 心タンポナーデ, 大動脈弁閉鎖不全症
このページの一番上へ