アブストラクト（39巻4号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 左片側性肺高血圧症を伴った右肺動脈起始異常の1手術治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 堤泰史, 大中正光, 大橋博和, 村上晃, 高橋政夫, 田中孝 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 福井心臓血圧センター福井循環器病院外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 4 |
| Page ： | 447-451 |
| Year/Month ： | 1991 / 4 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は, 7歳女児で, 鎖肛を合併し, 生直後に人工肛門作成術を受けている. 心臓カテーテル検査では, 左肺動脈は95/60mmHgと高度の肺高血圧を示し, 大きな動脈管と交通していた. 右肺動脈は, 無名動脈より起始しており, その起始部に強い狭窄を伴っていた. 手術は胸骨正中切開下に, 動脈管切断後, 右肺動脈と主肺動脈を, 馬心膜ロールにて吻合した. 術後主肺動脈圧は40/14mmHgに下降, また右肺動脈の吻合部狭窄が残存したが, 術後3年を経過した現在, 極めて順調である. 本例は, 発生学的には, 右第6鰓弓の近位側が吸収され, 遠位側が残存し, 右側動脈管を介し右肺動脈無名動脈起始となったものと思われ, いわゆる右肺動脈上行大動脈起始症とは一線を画す極めてまれな1例と考えられるので, ここに報告した. われわれは, 最近, 左側動脈管開存を合併し, 且つ左側の片側性肺高血圧を伴い, 右肺動脈は右側動脈管を介し無名動脈より起始するという, 極めてまれな1例を経験した. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 右肺動脈起始異常, 右側動脈管, 片側性肺高血圧症 |
