アブストラクト（39巻4号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 感染性心内膜炎を併発したPryce I型肺分画症の治療経験 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 杉本貴樹, 小川恭一, 麻田達郎, 向原伸彦, 西脇正美, 樋上哲哉 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 4 |
| Page ： | 458-462 |
| Year/Month ： | 1991 / 4 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は19歳男性で, 肺炎で治療中感染性心内膜炎（IE）による大動脈弁逆流を併発した. 精査の結果, 胸部下行大動脈から分枝する異常血管が左肺下葉を灌流しており肺分画症の存在が判明した. 手術は二期的にIEに対し大動脈弁置換術, 肺分画症に対し左肺下葉切除, 異常血管切断術を行った. 大動脈弁には右冠尖の穿孔とvegetationの付着が認められた. 肺の切除標本では正常な肺胞, 気管支系と異常血管の内膜, 中膜の増殖性肥厚及び閉塞の所見が認められ, 末梢血管にはplexiform lesionを含む肺高血圧性変化が認められた. 以上よりIEを併発したPryce I型肺分画症と診断された. 本症にIEを併発することは極めてまれで内外の報告を見ても欧米に1例認められるだけである. 自験例に若干の文献的考察を加え報告する. 肺分画症は大循環系より血液の供給を受ける異常肺組織を有する肺の先天性疾患であり, Pryceら1）は本症を異常動脈が流入する肺組織の性状により3型に分類した. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 肺分画症, Pryce I型, 感染性心内膜炎 |
