アブストラクト(39巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性心筋梗塞で発症した成人川崎病冠動脈瘤例に対する3種グラフトを用いた冠血行再建術の経験
Subtitle : 症例
Authors : 福本仁志, 西本孝, 森田大*
Authors(kana) :
Organization : 大阪府三島救命救急センター胸部外科, *大阪府三島救命救急センター内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 4
Page : 474-479
Year/Month : 1991 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 28歳, 男性. 急性心筋梗塞で来院し緊急冠動脈造影により前下行枝の冠動脈瘤の完全閉塞並びに両側冠動脈の多発性冠動脈瘤及び狭窄を認めた. 前下行枝に対する経皮的冠動脈血栓溶解術(PTCR)の成功の後, 右冠動脈, 前下行枝, 回旋枝に対してそれぞれ右胃大網動脈, 左内胸動脈, 伏在静脈の3種類のグラフトを用いてバイパス術を行い良好に経過した. 瘤壁の組織学的所見では線維化が著明で血管壁構築は消失しており, 冠動脈造影所見とあわせて川崎病と診断した. 成人川崎病による急性心筋梗塞例に対するPTCR, 胃大網動脈グラフトなどを用いた冠動脈バイパス術を行ったとの報告は認められず, 冠動脈瘤及びバイパスグラフトの予後を含めて興味ある症例と思われた. 川崎病は川崎による初めての報告1)似来, 後遺症として冠動脈近位部に瘤形成や狭窄をもたらし, ときに狭心症や心筋梗塞に至らしめる危険性の高い疾患とされてきた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 川崎病, 冠動脈瘤, 冠動脈バイパス術, 右胃大網動脈, 内胸動脈
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