アブストラクト(39巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 冠動脈病変を伴う大動脈瘤の外科治療
Subtitle :
Authors : 弘岡泰正*, 田原稔, 菊地憲男, 笹栗史朗, 山本晋, 山本一貴, 渡部幹夫, 大瀬良雄, 田中淳, 細田泰之
Authors(kana) :
Organization : 順天堂大学医学部胸部外科, *新宿病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 6
Page : 891-894
Year/Month : 1991 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1984年1月から1989年8月までに大動脈, 末梢血管病変の疑いのもとに入院し, 大動脈造影と冠動脈造影が同時施行された104例について, 治療方針の検討を行った. また, 同期間内に行った冠動脈病変を伴う大動脈瘤手術症例19例を対象として, 手術適応, 手術時期の検討を行った. 大動脈造影と冠動脈造影により両病変が診断されたものは, 48例/104例(46.1%)であり, 大血管, 末梢血管手術に際し, 冠動脈病変への配慮の重要性が示唆された. 手術が行われた大動脈瘤19症例の内訳は, 腹部大動脈瘤15例, 胸部大動脈瘤4例に対する人工血管置換手術である. 冠動脈病変に対しては, CABG 12例, 内科的治療6例, PTCA 1例が行われた. 手術時期に関しては, CABGを先行したものは腹部大動脈瘤の6例であり, 胸部上行大動脈瘤の3例はCABGの同時期手術が行われた. 治療成績は, 手術死亡, 遠隔期死亡ともになく, 満足すべき結果である. 著者等の施設における大動脈病変と冠動脈病変を有する症例に対する治療方針は, 上行, 弓部大動脈瘤では大動脈瘤とCABGの同時期手術を行い, それ以外の症例は二期的手術を行う事としている. 腹部大動脈瘤に対しても二期的手術を原則とし, 破裂例や瘤の増大傾向がある症例以外にはPTCA, CABGを先行し次いで大動脈瘤の手術を行うこととしている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈病変, 大動脈瘤, CABG, 二期的手術
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