アブストラクト(39巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性大動脈解離に対するprimary anastomosis
Subtitle :
Authors : 青柳成明, 明石英俊, 久保田義健, 藤野隆之, 剣持邦彦, 名嘉真透, 浦口憲一郎, 山名一有, 小須賀健一, 大石喜六
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 6
Page : 895-900
Year/Month : 1991 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : DeBakey(D-B)I型及びII型の急性大動脈解離に対する内膜亀裂切除と, 大動脈のprimary anastomosisisについて, その手術法を中心に報告した. D-B I型及びII型の急性大動脈解離8例に本法を用いて手術を行った. 年齢は平均62.3歳, 男性2例, 女性6例であった. D-B I型5例, II型3例で, 発症から手術までの期間は平均3日であった. 2度以上の大動脈弁閉鎖不全(AR)が8例中6例に認められた. 手術方法は, 術中の断層エコー検査により内膜亀裂の存在部位を診断し, 完全体外循環下に内膜亀裂に一致した大動脈外膜に横切開を加える. 外膜切開を大動脈後壁の非解離部まで延長し内膜亀裂の大きさに一致させるか, この部において大動脈を完全に離断する. 内膜亀裂を切除し, 大動脈壁をTeflon felt stripを用いて補強し, 中枢側及び末梢側大動脈の解離腔を完全閉鎖する. ARに対しては, 交連部においてTeflon pledgetを使用し弁尖吊り上げ術を行う. 補強された大動脈切開部を連続縫合により吻合するが, 大動脈後壁の解離の及んでいない部にも縫合を追加する. 大動脈遮断解除後, 吻合部を被覆する. ARに対し大動脈弁吊り上げ術は, 1例に行ったのみであったが, 4例ではARが消失した. 手術成績では, 8例中2例を術後早期に失った. 他の6例では術後平均27ヵ月を経過するが, 残存動脈瘤の拡大, 解離の再発, ARの悪化, あるいは遠隔死亡などは認められず, 本法はD-B I型及びII型の急性大動脈解離に対する救命手術としては単純で安全な術式と考えている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性大動脈解離, primary anastomosis
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