アブストラクト(39巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右心室粘液腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 鳥井晋造, 須磨幸蔵, 城間賢二, 井上健治, 小山雄次
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学第二病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 6
Page : 910-913
Year/Month : 1991 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれの経験した右心室粘液腫の1治験例を報告すると共に文献的考察を加えた. 患者は14歳の女性で, 心雑音を主訴とし, 胸骨左縁第3肋間に駆出性収縮期雑音を聴取したが, 体位により変動するのが特徴であった. 心エコー検査では右室内に可動性の腫瘤を認めた. 心臓カテーテル検査では, 肺動脈右室間に35mmHgの収縮期圧較差を認め, 右室造影で右室流出路に陰影欠損を, 右冠動脈造影ではtumor clusterを認めた. 体外循環下に右室切開を行い, 右室前壁に付着する15gの粘液腫を摘出した. 右心室粘液腫は, 文献上60例に満たないまれな疾患であるが, 早期手術例の予後は良好であり, 腫瘍の嵌頓や肺塞栓症などの合併症予防のためにも, 診断のつき次第, 可及的速やかに手術すべきである. 本例は, 術後6年の今日, 再発を認めていない. 心臓粘液腫は, 大半が左心房原発であり, 右心室原発は極めてまれである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右心室粘液腫, 心エコー, 心プールシンチグラム, 腫瘍摘出術
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