アブストラクト(39巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右上葉区域肺静脈(V2)の分岐走行異常の1例
Subtitle : 症例
Authors : 新美隆男, 梶田正文, 松山孝昭
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所中部病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 6
Page : 935-937
Year/Month : 1991 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は73歳の男性で, 右肺下葉の扁平上皮癌に対して開胸術を施行した. 開胸時, 上葉は通常の上肺静脈と更にもう1本の独立した静脈によってドレナージされていた. その独立した肺静脈は径8mm大で上葉の背部から出て, 主気管支のすぐ背側を経て尾方へ走行し, 気管分岐部と下肺静脈根部を結ぶ中間辺りで, 上肺静脈とは中間幹を隔てて左房に還流していた. 画像上, この静脈はV2aとV2bが合流したものであった. 肺静脈の極めてまれな分岐走行様式であり, 安全な手術操作上注意を必要ととした. 肺血管の分岐及び走行は多様で, 変異の多いことは従来からよく知られている. 肺外科手術を安全に行うためには, 種々の変異の可能性を十分に把握しておくことが必要である. われわれは, 右上葉区域静脈の一部がまれな分岐, 走行を示し, 上下肺静脈とは独立して左房に還流していた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:73歳, 男性
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺静脈分岐走行異常, 肺外科
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