アブストラクト(39巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 上大静脈, 気管支内をポリープ状に伸展した浸潤型胸腺腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 一万田充俊, 岡田秀司, 甲斐隆義*
Authors(kana) :
Organization : 大分市医師会立アルメイダ病院胸部外科, *大分市医師会立アルメイダ病院呼吸器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 6
Page : 938-942
Year/Month : 1991 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 顔面腫脹を主訴とした63歳の女性に, 胸部X線写真と胸部CT写真で右上縦隔から肺門に接する鶏卵大の腫瘤影を認めた. 上大静脈造影では, 上大静脈内に拇指頭大の円形陰影欠損が認められた. 気管支鏡検査では右肺尖支を閉塞する白苔に覆われたポリープがあり, このポリープの生検により, 胸腺腫の診断を得たため手術を行った. 手術は胸骨縦切開で, 上大静脈と右上葉を腫瘍と一塊に切除しring付きPTFEで上大静脈を再建した. 切除標本では, 上大静脈と, 気管支の内腔をポリープ状に伸展する浸潤型胸腺腫で, 極めて特異な浸潤形態を示していたので報告した. 胸腺腫は隣接臓器への浸潤や胸膜, 心膜への播種が見られることは多いが, 血行性やリンパ行性による遠隔転移を来すことが少ない腫瘍として知られている1)2). われわれは, 気管支と上大静脈の内腔をポリープ状に伸展した極めてまれな浸潤型胸腺腫を経験したので, 文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 浸潤型胸腺腫, ポリープ状発育, 上大静脈症候群, ring付きPTFE
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